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禁煙外来

ご存知のとおり、ここ最近、公共の施設、飲食店、交通機関などで禁煙が推進されており、喫煙可能な場所を探すことが困難になりつつあります。
タバコ本体の値上がりも懐を悩ます一因でしょう。
この際、喫煙による健康被害を理解し、禁煙にチャレンジされてはいかがでしょうか。

喫煙による健康被害

喫煙が肺がんの原因となることは広く知られています。
この他にも舌がん、喉頭がん、食道がん、胃がんなど、多くのがんの発生率を高めることが、最近の研究により明らかになっています。

酸素吸入を必要とする慢性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎)の80〜90%は、喫煙が原因とされています。

喫煙は動脈硬化を促進し、血管を収縮させるため、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞の第一の危険因子となります。

胃十二指腸潰瘍や下肢の血行障害(壊疸)を悪化させます。

妊娠中の女性が喫煙をすると、流産や周産期死亡のリスクが高まります。
また、新生児の脳性麻痺、精神発達遅延、奇形、小児がんの頻度が高まります。

家族や職場に喫煙者がいる場合、周囲の非喫煙者にも喫煙による健康被害が起こります。これを受動喫煙と呼びます。

ニコチン依存症

タバコを吸うと、血液中のニコチン濃度が高まります。
それが脳内の神経細胞に結合することで、満足感・幸福感を引き起こすドーパミンという脳内ホルモンが大量に放出されます。
このため、タバコを吸うと、大きな満足感や幸福感を味わうことができるのです。

しかしその反面、喫煙者は通常の喜びや感動では十分な満足感が得られず、
タバコを吸うことによって初めて満足感を味わえるという状態に陥っています。
タバコを吸わないと何となく物足りないと感じているのです。
これがニコチン依存状態です。

禁煙を何日か続けていると、このニコチン依存状態から脱することが出来ます。
脳内の神経細胞が通常の刺激でもドーパミンを放出できるように回復します。

仕事を成し遂げた時の達成感、美しい景色を眺めた時の感動、
美味しいものを食べた時の喜びなどが、喫煙の助けなしでも味わえるようになるのです。

禁煙治療の概要

長期間にわたって喫煙している方は、身体的にも精神的にもニコチン依存状態( ニコチン中毒)に陥っています。
このような方が急に禁煙をすると、さま ざまな離脱症状(禁断症状)が現れ、禁煙の継続が困難となります。

平成20年5月より、ニコチン受容体拮抗薬(経口薬)による禁煙補助療法が保険適応となりました。 この薬は、脳内の神経細胞のニコチン受容体に結合し、ドーパミンを放出させるため、禁煙に伴う離脱症状やタバコに対する切望感を軽減します。
一方、ニコチン受容体へのニコチンの結合をブロックするため、喫煙による満足感を抑制します。このため、禁煙期間中にタバコを吸ってしまうことがあっても、禁煙治療を継続することが可能です。

禁煙補助療法の期間は12週間(3か月間)です。2週間毎に来院していただき、 呼気中の一酸化炭素濃度を測定します。
禁煙が守られていれば、呼気中の一酸化炭素濃度は確実に低下します。

この12週間の間に、タバコを吸わない状態での身体と心の変化を実感していただきます。
咳や痰が少なくなった、息切れしなくなった、食べ物の味が美味しくなった、花やワインの香りが良く分かるようになった、他人の吸うタバコの臭いが不快に感じられるようになった、家族や友人から褒められた…
それ以後の 禁煙の継続に有力な経験が得られます。

この間に、ニコチン依存症についての理解を深めていただき、タバコに対する誤解を解いていただくことも重要です。
禁煙治療で重要なことは、禁煙をいかに継続させるかということに尽きます。
「もう二度とバカなことはしない」 という強い気持ちが持てれば、
その先、禁煙を継続することができるでしょう。

費用

健康保険3割負担の場合、12週間全体で17,000円程度です。
ちなみに、毎日20本ずつ喫煙している方は、タバコ代が12週間で約 33,600円かかっている計算になります。

一人でも多くの方が禁煙を達成できるよう、お力になります。

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